私は何を信じればいいですか?


「隆都さん」

私も希尋の真似をして、声を掛けてみる。

「どんまい」

「お前もかよ!」

「あははははっ」


笑いながら、私は深くフードを被り直す。

「じゃあ、私そろそろ帰ります。ごちそうさま」

「ああ、じゃーな」

「気をつけてね。ここら辺は物騒だから」

「送る」

その希尋の言葉にギョッとした。

「いやいやいやっ!私は別に1人でd「大丈夫なわけないでしょ。また、絡まれたらどうすんの」

「うっ………」

「これで礼央になんかあったら、寝覚め悪いし。ほら、行くよ」

「……ハイ」

「じゃあ、2人とも気を付けね。またね」

ペコっと頭を下げて、店をでる。


「……………」

「……………」

帰り道は、お互い無言だった。







________しょうがなかった、ことなのかもしれない。


下を向いて、何かを落とすように。

ポツリ、ポツリと胸の中に心を落とす。

しょうがなかった。

きっと。

私が姫から降ろされたのは。

彼らに、信じてもらえなかったのは。

もう、しょうがないことで、どうしようもなくて。

もう、いい加減悩んでるのが馬鹿みたい。

こんなことで、クヨクヨして。

泣きそうなって。

人に、心配までかけて。

「はは……笑っちゃうよね。私らしくもない」

特に、何かにこだわることなく。

サッパリとした性格で通してきたのに。

「礼央」

希尋の低くて、良く通る声と同時に。

グイッと抱き寄せられる。

「危ない」













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