私は何を信じればいいですか?
「私は、イジメてない。信じて」
蓮の瞳が揺れる。
お願い。
信じて………!
「じゃあ、この写真はどう説明するの?」
そう言って、篠が見せた写真。
それには。
私特製の蘭華の特攻服を来た人が、倒れた沙由里ちゃんを蹴っている。
顔は見えないけど、特攻服の所為で一目で私だとわかる。
でも、私は。
「何…コレ。こんなの……知らない…」
そう呟いた途端、生に思いっきり頰を叩かれた。
堪えきれなくて、床に倒れた私の手を智己が踏みつける。
「……イッ……!」
思わず漏れた声。
「沙由里は、これよりもっと痛い思いをしたんだよ」
冷たい声で智己は言って、さらに私の手を踏み躙る。
涙が出ないように。
声が出ないように。
必死で私は歯を食いしばった。
心では、信じてと叫びながら。
「お前を姫から降ろす。お前は、蘭華の恥だ」
絶望的な、蓮の言葉。
姫から降ろされることよりも。
何よりも。
蘭華の恥と、大切な仲間から言われたことが悲しい。
いや、もう仲間じゃないんだ。
ふらりと私は立ち上がった。
フラフラと部屋を出て行く。
泣きたくなかった。
彼らの前では、絶対に。
そもそも私は、酷いことをされて、言われて、泣く資格なんかない。
本当。
何で、こんな事になったんだろうね……。
私が倉庫から出た途端。
ガシャンッーーーー。
無情にも、シャッターの閉まる音がした。