私は何を信じればいいですか?
思わずスマホを取り出す。
だって、これは永久保存版てしょ。
パシャッと音がして、スマホの小さな画面に希尋が写る。
次はどんな髪型にしようか。
三つ編みに手を伸ばしたとき。
いきなり希尋が、私の手を掴む。
驚いて、スマホが起き上がった希尋の前に落ちた。
それには勿論、三つ編みをした希尋が写っていて………。
「…………へぇ」
や、ヤバシ……!
もう既に、希尋から黒いオーラが溢れている。
「あ、あははは………」
目を逸らして、乾いた笑いをする。
今すぐここから逃げたいぐらいだけど、希尋が腕を掴んでいるため、出来ない。
「何か、頭がむずむずすると思ったら」
こんなことされてたなんて、ね。
ね、と同時に写真が削除されてしまう。
「あー!」
思わず声を上げる私。
ギロッと睨む希尋。
「何?文句あるなら………聞くけど」
「いえ…滅相もございません」
私だって、命は惜しい。
お怒りの希尋に、返すことなどございません。