私は何を信じればいいですか?



目を覚ました私が、真っ先に見たのは。

知らない天井だった。

「どこ…ここ……?」

痛む体を庇いながら、ゆっくりと体を起こす。

「あれ……?」

誰がやってくれたのか、手には綺麗に包帯が巻いてあった。

「あれ?起きたんだ?」

いきなり聞こえた男性の声に、びっくりした。

「え、え?」

戸惑ってる私をよそに、男の人………いや、私と同じくらいかな……はテキパキと手を動かす。

「骨は異常なかったらしいよ」

はい?

「あの、病院に連れて行ってくれたんですか?」

「まあ、ね」

「ありがとうございます」

こんな私にも、まだ親切にしてくれる人がいると思うと……嬉しい。

「あ、おお金!いくらでしたかっ?」

すると男の人は、私をちらっと見て。

「……100万」

ボソッと言った。

「ああ、100万……ひゃ、100万⁉︎」

無理無理無理。

私、そんなお金もってない。

さぁーと青ざめる私を見て、男の人は喉の奥でくくっと笑う。

「な、何ですか?」

「冗談……だったんだけど」

「えーーー!!ったぁ」

思いっきり叫んだ後、私はお腹を抱えた。

お腹から声を出したせいで、痣に障ったのだ。

うぅ…と呻く私。

い、痛い。

「湿布変えるから、ほら」

うずくまった私の顔を、くいっと上向かせる。

こ、これって流行りの顎クイじゃ……!

頬っぺたの湿布を、変えようとしてるのだろうけど、……顔が近い!

そう、よく見れば彼は凄いイケメンで。

だんだんと、頬が熱をもってくる。

「じじじっ、じ自分で出来ますっ!」

「動かないでくれる?」

ペタ





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