Double cherry ~八重桜~
Prologue
「すっ…好きです!」
今月に入ってもう3回目。
この状況を冷静に分析している自分に驚く。
どいつもこいつも外面に惚れられても迷惑なだけなんですけど
と思ったが、
そんなことは微塵も感じさせず、
「ごめんなさい。私、好きな人がいるの。だからごめんなさい。」
そういって、今月3回目になる告白を断り、その場から立ち去ろうとした。
が、名前も知らない男子生徒に腕を捕まれ、
「それって片思い?なら、俺でいいじゃん。」
と言われた。
こいつは告白を断る常套句ってやつを知らんのか!
と思ったが、無視だ無視。
無視が一番だ。
「ごめんなさい。」
と笑ってさっさと立ち去った。