「離れるの禁止って、言ったよね……っ」
クラスメート一人一人の声が少しずつ、耳元に残って
目線はただ一人、アイツだけに向いてる。
どうしようもないくらい、じっと彼女だけを見つめていたのは
自分でも気付いてない。
『わぁっ!伊織くんっ!!目が合いましたね!
どうかされましたか!!』
でも、目が合えば合ったで、嬉しそうにこちらによるコイツ。
ニコニコして、本当に嬉しそうに。
どこがそんなに楽しいのか、なにが嬉しいのかわからないけど、
分かりたくなんてないけど。