「離れるの禁止って、言ったよね……っ」
 

いつもよりたくさん、毒を吐いた。

いつもよりたくさん、心の中にたまった。



………そして、コイツを傷付ける。




「………嫌いだよ、お前なんて」



今まで散々毒吐いた中でも、一度も言わなかった“嫌い”


一番傷付ける言葉なんて、知らなかった。



ふと零れた言葉で、こんなにも彼女が



『……っ、』



泣きそうな顔で目を見開いて、俯くなんて知らなかった。


前田は笑いもせず、オレを少し見て目をそらした。



拒絶、したから。

オレが、コイツを。





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