両片想い
緑色の引っ越し先




「…ぞみ……のぞみ………希美!」



「んん〜…なにぃ…」



目を開けると、お母さんの顔が一番に目に入った。




呆れたような顔であたしを見つめ、

ため息をつくお母さん。



あれ…よく見るとお母さん、シワが増えたような…



すると今度はお母さんの目がどんどんつりあがっていき、顔が赤くなっていく。



ん?どうしたんだろ…





「余計なお世話よ!…まったく。もう着いたから早くおりて荷物運ぶの手伝ってちょうだい」



お母さんは怖い顔をしてそう言い放つと車から出ていく。




…あれ。


あたし声に出しちゃってた?






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