両片想い
「希美、この人ね、隣の家に住む梅おばあちゃんよ」
梅おばあちゃん…
梅って名前がよく合う人かも。
だって顔はシワシワだし、梅干しもシワシワだしあってるでしょ?
「…えと、希美です。よろしくお願いします」
ペコッとお辞儀をするとおばあちゃんは声を出して笑い、あたしの肩をポンポンと叩いた。
「敬語なんていらなよぉ。
希美ちゃん、よろしくなぁ〜」
梅おばあちゃんがニコニコ笑ってそう言うもんだからあたしもいつの間にか笑っていた。
やっぱりなんか、安心できて、
心が落ち着く。
梅おばあちゃんの笑顔はあったかくて、
心がポカポカした。