両片想い





「緊張してきた?」


先生にそう聞かれ、コクンと頷く。


すると先生はニッコリ笑って「大丈夫だよ」と言う。



「みんないい子だよ。優しくて、友達思いの子ばっかり。きっとすぐ仲良くできるよ!」




小林先生にそう言ってもらったら、なんだか少し安心した。


心が落ち着いたっていうか、冷静になれた感じ。




しばらくして、ある教室の前で先生の足が止まり、ここが教室だと気づいた。




ドラマとかだと、たしかここで先に先生が入って、呼ばれたら入る感じだよね。


またドキドキしてきた…



「じゃ、先に入るから、僕の後に続いて入ってきてね」




「…え?…あ、あ…はい」



あたしの想像していたのと違って、一瞬変な声を出してしまった。



あれ、一緒に入るものなの…?







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