両片想い
先生が教室のドアを開け、中に入っていく先生の後に続き、あたしも中に入ると、教室の中にいたみんながあたしをジロッと一斉に見る。
うっ…視線が痛い…
「みんな、HRの前に今日から新しくこの教室で一緒に勉強することになった子を紹介します。
自己紹介してもらえるかな?」
先生にそう言われ、小さく頷いた。
「水谷希美です。よろしくお願いします」
できるだけ明るい感じで自己紹介をした。
最初のイメージが肝心…と自分に何度も言い聞かせていたおかげか、緊張で言葉を噛むことなくサラッと言うことができて安心。
「水谷さんは前は東京に住んでいて、お父さんの仕事の事情でこっちに引っ越してきたそうです。みんな、仲良くするようにな」
そして、先生に自分の席を教えてもらい、その席に座った。
一番後ろで窓側の席。
隣は男子で、前は女子2人だった。
改めて、教室中を見渡すと、すごく人数が少ないことに気がつく。
このクラスの人数は20人ほどしかいない。
あたしの前の学校のクラスの人数の2分の1ほどしかないんだ…