両片想い
「そんなこと知ってるし」
芹沢くんの喋り方はまたもや不機嫌で、ムスッとしている。
なんでこの人こんなに怒ってるのよ〜!
「ここってほんと何もないよね〜!
コンビニもないし、本屋も品揃え悪すぎだし!
それにみんな田舎くさくて、話についていけないっていうかさ!」
あたしがそう言うと、芹沢くんははぁとため息をついた。
ギロッと睨んであたしを見てくる。
「は?なにそれ。
都会の人の方が偉いとでもいいたいの?
」
睨まれながらそう言われ、足がすくんだ。
超怖いんだけど…
っていうか予想外の反応…
「い、いや、そういうことじゃなくて。
みんな古臭いっていうかさ〜。
この前、知らない人に挨拶とかされちゃって、は?ってなったんだよね!
普通挨拶とかしなくない?
それで周りの子たちは挨拶返してて!
田舎の人ってなんかダサいっていうか…」
ヘラヘラ笑いながらそう言った。
その途端、芹沢くんはガタッと音を立てて立ち上がった。
教室中が静まり返りみんなが一斉にこっちをジロッとみてくる。
「お前最低だな」