両片想い
軽蔑したような、冷たい目であたしをジロッと睨んで、冷たくそう言い放つと芹沢くんは教室を出て行った。
ひどく冷たい顔だった。
あたしのこと、軽蔑したのかな…?
でも、あたしにとっても「は?」って感じだ。
だって、全部全部、本当のことじゃん。
挨拶なんて東京にいたころは誰もしなかった。
っていうかした方が変な目で見られる。
だから挨拶なんてしないもんだって思い込んで育ってきたのに、
こっちに来てそんな事されたら「は?」ってなるじゃん。
芹沢くんだって東京からきたんだからわかるでしょ。
なに、いい人ぶってんの?
女子にモテたいとか?
芹沢くんだってこっちに来てまだそんなに経ってないくせに。
意味わかんない。