両片想い
「この家ね、この村でも結構立派な方なのよ?
そりゃ都会の新築に見慣れてるから木造建築の家はボロく見えるのかもしれないけど、この家は立派なのよ?」
そう言われたってな〜…
仕方なく受け入れるしかなくて、「わかった」と返事をする。
それからは引っ越しセンターの人と一緒にトラックから荷物を下ろし、家の中に運んでいく。
大きな家具はお父さんと引っ越しセンターの人に任せて、あたしは食器の入ってる箱や小物類を運んだ。
ようやく運び終わり、片付けが終わったのは夕方だった。
家の中は結構広くて、マンションに住んでいた頃と比べて部屋数も数倍多い。
二階にあたしの部屋もできたし、お父さんお母さんの部屋を作っても、まだ余る。
あたしたち3人家族には広すぎる家だった。