両片想い





「あ、そうそう。
川沿いの堤防のところでこいのぼり祭りやってるよぉ。
私もさっきいってきたけど楽しかったわぁ。希美ちゃんも行ってきたらぁ?」




こいのぼり祭りかぁ…



へぇ、そんなのあるんだ。



なんか楽しそう。



春美と千佳を誘って行ってみようかな?




「うん!友達誘って行ってみるね!」




「ん。気ぃつけていくんやでぇ」




梅おばあちゃんはニッコリ笑ってそう言うと、あたしに手を振って家に帰っていった。



こいのぼり祭りって何してるんだろう。


本格的なお祭りではないんだろうけど…




とりあえず、2人に電話しよう。




ケータイを開き、アドレス帳から春美の名前をみつけ、電話をかけた。



『もしもし希美?どうしたの』


春美のほうは周りがやけにザワザワしていて、春美の声が聞き取りにくい。


「あ、春美。あのさ、こいのぼり祭りってのがやってるらしいけど千佳も誘って行かない?」



『ごめん、希美!うちんち、たこ焼き屋の屋台だしてんねん!それ手伝ってるから行けん!ごめんなぁ』


春美んち、たこ焼き屋の屋台だしてるんだ…



「そうだったんだ。
なら、千佳誘ってみるよ」



『あっ、千佳んちもたしかフライドポテトの屋台やってたと思うからそこ手伝ってるよ』


え、千佳も!?


…っていうかフライドポテトの屋台とかあるんだ…



「そっか。なら、1人で行ってみるね」







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