【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「季緒とせんせの名前、出すんじゃねーよ。」
「はっ、嫉妬?」
「……んなんじゃねーし。うぜえ。」
「おまえ、本当口悪いな。浮気相手がいること、きーちゃんにバラしてやろーか。」
「そしたらオレ、おまえん家のベッドの下にエロ本があること、おばさんに教えようかな。」
「……シャレにならねーよ、それ……。」
新幹線が駅に着いたので、オレ達は荷物を持って順に下りて行く。
「ていうか海人。さっきから思ってたんだけど、香水替えた?」
「は? 替えてないけど。」
「海人から、めっちゃ甘いにおいすんだけど。……なんか、ほら、いちごみたいな。」
いちご?
……あぁ。
視界の端に映った、重そうな荷物をいくつも背負う小河先生。
「それ多分さ、せんせのにおいだよ。」
〝せんせー、いちご好きだから〟
雄大を置いて、オレはせんせいのとこへと駆け寄った。
「せーんせ。荷物重そうだね、1つ持ってあげようか。」