【完】魅惑な藍の海の恋心色。
彼の足元に崩れたわたしを、
彼は世間で言う〝お姫様抱っこ〟で、わたしをベッドへと寝かせる。
ポスッと優しくベッドへ寝かされ
彼はそんなわたしの上へ覆い被さって来る。
……って、え……?
う、うそ……。
「可愛い。反応とか、物凄くそそるんだけど……。」
「ま、まままっ!! こ、こういうのはっ、本当にす、好きな人としか……!」
ショートしそうな頭でそう言えば、彼はイタズラに、甘く微笑んだ。
「でも、今日は先約がいるから。ごめんね。」
チュッと軽く唇を合わせただけで、彼はわたしの上から退いていく。
〝先約〟の意味は、いまいち分からなかったけど……。
とりあえずこれ以上のことは無いらしく、わたしはホッと安堵の息を吐いた。
……いや、既にファーストキスは奪われてるんだから、ここで安心したらダメなのかな……?