【完】魅惑な藍の海の恋心色。
鼻を啜って我慢して、ほとんど時間通りにやって来た生徒を次々と驚かしていく。
「わっ、わぁああああ!!」
……まぁ。
「あ、こがちゃんだー。」
「え、こがちゃんも幽霊役なの? 似合わねー!!」
驚いてくれないのが、大半なんだけど。
「……何となく、想像はしてたけど……みんなを驚かせる自信、少しはあったのになぁ……。」
そしてそれは、何気にショックだったりする。
普段は下ろさない黒髪も、貞子を演じるために下ろしてるというのに。
髪にたいして掛けられた唯一の言葉は、〝なんか色っぽい〟の一言だった。
「……わたし、そんなに怖くないかな?」
というより、そんなに子供に見える?
確かに身長は低い方だけど……そこまで童顔、てわけでもないし……。