【完】魅惑な藍の海の恋心色。
頬を膨らませて、少し拗ねた顔をしてみる。
本当はたいして気にもしてないけど
何かしないと、三木くんがそのまま帰ってしまいそうで……。
三木くんは少し困ったように眉を下げて、微笑む。
拗ねたふりをするわたしの頭を撫で、慰めようとしてくれた。
「そんな顔、しないで、せんせい。」
……本当は、嬉しかった。
三木くんが、女の子と2人で目の前の道を歩いて来るなんて。
本当は、想像もしたくないほど嫌だった。
だから少し、ホッとしてる。
三木くんが今、ここにいてくれて。
他の女の子の、誰でもない。
わたしの、傍にいてくれて。
「せんせーに、会いたかったんだよ。」
……三木くんは、ずるい。