【完】魅惑な藍の海の恋心色。





三木くんに、手を引かれる。


大きくて細長い指が、わたしの指と絡まってきた。



「……どこ、行くの?」



肝試しなんて、関係無い。


わたしの持ち場は、もうとっくの前に離れている。



「2人っきりに、なれるところ。」



わたし、教師として失格だ……。



元々、生徒に恋しちゃった時点で失格かもしれないけど


こんな大事な時にまで、三木くんと近い距離が、嬉しいと思ってしまうんだ。



生徒約210人との修学旅行の行事より、三木くんと一緒にいたいって思ってる。



「せんせ、そこ足元崩れてるから、気をつけてね。」



少し前を歩く大きな背中が、愛おしくて堪らない……。





< 124 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop