【完】魅惑な藍の海の恋心色。
三木くんに、手を引かれる。
大きくて細長い指が、わたしの指と絡まってきた。
「……どこ、行くの?」
肝試しなんて、関係無い。
わたしの持ち場は、もうとっくの前に離れている。
「2人っきりに、なれるところ。」
わたし、教師として失格だ……。
元々、生徒に恋しちゃった時点で失格かもしれないけど
こんな大事な時にまで、三木くんと近い距離が、嬉しいと思ってしまうんだ。
生徒約210人との修学旅行の行事より、三木くんと一緒にいたいって思ってる。
「せんせ、そこ足元崩れてるから、気をつけてね。」
少し前を歩く大きな背中が、愛おしくて堪らない……。