【完】魅惑な藍の海の恋心色。
それでも、唯一の姉妹。
茜(あかね)お姉ちゃんは、わたしを責めることなく。
「藍は、藍はあたしが守るから……! お母さんは、ゆっくり眠ってて……。」
自分だって、まだたったの12歳だったのに。
そんなことを、霊安室で横たわるお母さんに言ってたのを、今でも覚えてる。
茜お姉ちゃんは、口に出さなかったけど
きっと、悲しかったはず
苦しかったはず、寂しかったはず。
絶対、そうなんだ。
だって、家族なんだもん。
血の繋がった、親子なんだから。
わたしが奪った。
あれは、わたしの罪。
お父さんから、茜お姉ちゃんから
お母さんを奪ってしまった、わたしの罪。
「藍……藍が無事で、本当によかったわ……。」
死ぬ直前まで、お母さんは笑顔だった。