【完】魅惑な藍の海の恋心色。
少し呆れたように、フッと三木くんが微笑んだ。
わたしの背中に、腕が回される。
「三木くん……庇ってくれたんだよね。ごめんね……ごめんね、っ。わたしのせいで……っ。」
「違うよ、せんせい。……オレが、せんせいを守りたかっただけだから。」
「……ありがとう。ありがと、三木くん……。」
三木くん……三木くん……。
どうしよう、
もう、止められない……。
想いが、心に留まらないよ……。
……三木くん。
「みき、く…………す……、き……。」
三木くんが無事で安心したのか、急に体が重く感じて。
その温かな体温に、自分の体を預けた。
「あー……これこそ、生殺しだ……。」
「すー、すー……。」
わたしの唇に、柔らかい何かが触れる。
「……このままじゃ、ダメだよな。」
満月だけが、わたし達を見ていた。