【完】魅惑な藍の海の恋心色。
満喫って……歩けるの?
「もちろん、捻挫なんだから、彼は歩けないわよ。」
……だよね。
ものすごく、血が出てたし……。
でも、それじゃどうやって満喫だなんて……。
「そこで、あなたが手を貸しなさい。」
「え……?」
「彼はあなたを庇って怪我をしたのでしょう? それに小河先生は保険医じゃない。彼にもしものことがあったときのことを考えて、傍にいてくれた方が私も安心だわ。」
校長先生の目はわたしを責めるというより、
どちらかと言えば情けをかける目に近い。
言い方はあれだけど、
出来るだけわたしと三木くんが、一緒にいられるようにしてくれたんだと分かった。
「ありが、と……っ、ございま……す!」
わたしの返事を聞いて、今度こそ校長先生は部屋を出て行った。