【完】魅惑な藍の海の恋心色。





「あ、あり、がと……。」



釣られて、わたしまで顔が熱くなる。



「ほんま、初々しいどすなぁ。」


「ふふ、お二人さん次はどちらへ?」



わたし達のやり取りを見て少し微笑んだあと、緒花さんが聞いてきた。



「三木くん、どこ行こう? また神社巡りする?」


「んー……いや、もう時間もたいして無いし。とりあえず先に土産屋に行きたいかな。母さんたちに土産買わないと。」



三木くんに言われて、携帯で時間を確かめてみれば

集合時間まであと1時間を切っていた。



もう、1時間も無いんだ……。



「ほんなら角屋さんがええどす! あそこの土産の種類の豊富さは、ここらで一番やけ!」



なんて言うのは、三木くんの着付けを担当した、

緒花さんの弟子にあたる凛子(りんこ)さんだ。



可愛らしい笑顔で、角屋さんまでの道のりを教えてくれた。





< 155 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop