【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「あ、あり、がと……。」
釣られて、わたしまで顔が熱くなる。
「ほんま、初々しいどすなぁ。」
「ふふ、お二人さん次はどちらへ?」
わたし達のやり取りを見て少し微笑んだあと、緒花さんが聞いてきた。
「三木くん、どこ行こう? また神社巡りする?」
「んー……いや、もう時間もたいして無いし。とりあえず先に土産屋に行きたいかな。母さんたちに土産買わないと。」
三木くんに言われて、携帯で時間を確かめてみれば
集合時間まであと1時間を切っていた。
もう、1時間も無いんだ……。
「ほんなら角屋さんがええどす! あそこの土産の種類の豊富さは、ここらで一番やけ!」
なんて言うのは、三木くんの着付けを担当した、
緒花さんの弟子にあたる凛子(りんこ)さんだ。
可愛らしい笑顔で、角屋さんまでの道のりを教えてくれた。