【完】魅惑な藍の海の恋心色。
それから緒花さん達と一度別れて
わたしと三木くんは教えてもらった角屋さんにやって来た。
聞いてた通り、角屋さんは本当に近い。
下駄に不慣れなわたしにとって、その距離は非常に有り難かった。
「えーと、里佳子ちゃんへのお土産は炭酸大福とモンブラン風羊羹と……。」
味音痴な里佳子ちゃんへのお土産は、どこに行っても困らない。
とりあえずは、珍しい和菓子を買えばいいのだから。
あ、お姉ちゃんにも買って帰ろう。
智樹は……一緒に来てるし、別にいいよね。
「せんせい、どう? 買えた?」
「今からだよ。三木くんはもう買ったの?」
「ん、家族の分だけだし。」
三木くんの手には紙袋が一つ。
どうやら本当に必要な分しか買ってないらしい。