【完】魅惑な藍の海の恋心色。
三木くんはクスッと笑った。
「いいよ、せんせー。撮ろうか、一緒に……ね?」
「う、うん……?」
あ、あれ、おかしいな?
なんか一気に、三木くんから色気が……。
三木くんはいつの間にか、道を歩いていた通行人に「写真いいですか?」
なんて聞いていて。
……何だか、嫌な予感……。
「いきますよー?」
写真を頼まれた男の人が、カメラ越しに声を掛けてくる。
「お願いしまーす。」
「お、お願いします……。」
写真に写りやすいよう、できるだけ車椅子の三木くんと背丈が同じぐらいになるように腰を屈める。
背景は角屋さん
趣のある看板が京都って感じがして、中々いい写真が撮れるんじゃないかなって思った。