【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「藍。」
と、シャッターが切られる直前。
三木くんの大きな手が、わたしの顎を掴んだ。
「え……?」
カシャッと鳴るシャッター音と、
驚きの1つの声。
声を上げたのはわたしじゃなく、カメラを頼まれてくれた男の人だ。
「ん……っ、ふ……!」
「っ、やっぱあま……。」
少しだけ離れた唇。
でもまたすぐに塞がれる。
熱い熱い、三木くんの唇で。
「はっ、ぁ……。」
「あ、写真ありがとうございます。上手く撮れました?」
「えっ、あ、はい、多分……。」
息切れ切れのわたしと違い、三木くんは余裕を含めたあの微笑みで
「見せてください」と、今撮られたばかりの写真を見てる。
「ふっ……。せんせ、かわい。」
撮られた写真がどんなものかなんて、大体想像がつく。
その証拠に、男の人の顔が真っ赤になっていた。