【完】魅惑な藍の海の恋心色。
そのおかげあってか。
智樹は何度かトイレに向かうことはあっても、籠ることは無かった。
ふぅ、よかったー。
東京駅まであと10分ぐらい。
修学旅行もあっという間だったなぁ……。
明日から、わたしはどうなるんだろう。
やっと念願の保険医になれたのに。
やっぱりクビになるのかな、東京駅に着いたら終わりなのかな。
怖い
コロン......
気付けば手が震えていた、ガクガクと。
どこから落ちたのか、甘いピンクのそれが通路に転がる。
「あ……、イチゴの飴玉……。」
修学旅行の最初、三木くんにもらったもの。
そうだ、リュックに直してそれっきりだったんだ……。