【完】魅惑な藍の海の恋心色。
手が、温かい体温に包まれる。
「三木くん、足は……っ?」
包帯が巻かれただけの左足。
「大丈夫だよ。」
三木くんは一見普通そうに歩いてわたしをエスコートするけど
やっぱり少し、覚束ない足取りをしていた。
そのままエスコートされた先は、広くて綺麗なリビング。
ダイニングと繋がっているようで、奥のキッチンには若い女の人がいる。
「母さん、連れて来たよ。この人が、この前オレが言った小河藍先生。養護教諭で、保健室の先生。」
「へぇー! わかーい!」
この人が、三木くんのお母さん……?
思っていたよりずっと綺麗でオシャレで、……あとわたしよりも若くみえる。
「ふふっ、初めましてー、せんせ! 海人の母親の奈緒(なお)です。今日はようこそ、お越しくださいました!」
「おっ、お越し!?」
……そして何というか
「あれ? 違ったかしら?」
お茶目さん……?