【完】魅惑な藍の海の恋心色。
そういえば、謝罪もまだきちんとしてない……。
「もう少しだけ……奈緒さんと話をしても、いいですか?」
わたしがそう言えば、奈緒さんはすぐさま顔を輝かせて
「紅茶煎れ直してくる!」と、キッチンの方へと戻って行った。
「……いいの? せんせ。母さん、あの性格だから振り回されるよ。」
三木くんが少し心配そうに耳打ちしてくる。
「すっごく予想がつくけど……大丈夫だよ。三木くんこそ大丈夫? 足……。」
「オレは平気。全治3週間、車椅子も松葉杖も要らないって言ったよ。走れないだけで、歩けるしね。」
「そう……。なら安心して、用事を済ませてきて?」
それに……
奈緒さんは何か、わたしに言いたいことがあるみたいだから。
それも、〝三木くん〟には聞かれたくない話……。