【完】魅惑な藍の海の恋心色。
……なんか、今の会話って
「新婚さんみたいね!」
言ったのはわたしじゃない。
「しっ、しし、新婚……っ!?」
「海人が夫で、せんせーが奥さんっ。」
奈緒さんがリビングから顔を出して、わたしが思ったことと同じことを言う。
うぅー……は、恥ずかしい……。
「ふふっ、羨ましいなぁ。」
「……?」
「夫、今じゃすっかり仕事人間だから。そんな風にラブラブできる時間が無くてね。」
奈緒さんは手に、紅茶の入ったティーカップが乗ったトレイを持って
「こっち」と、片手で手招きした。
奈緒さんを追って、ゆっくりと階段を登って行く。
「あの……。」
リビングに戻らないんですか?
そう聞く前に、奈緒さんが口を開いた。