【完】魅惑な藍の海の恋心色。
side 小河藍
ある一室に着いて、奈緒さんは1つのアルバムを取り出した。
「これを見て。」
渡されたアルバムを、おそるおそると開く。
写っているのは、3歳ぐらいの三木くんと、若い奈緒さんと男の人。
きっとこの人が、さっき奈緒さんの言ってた旦那さんで、三木くんの…………あれ…?
「似て、ない……。」
恐ろしいぐらいに、男の人と三木くんが似てないのだ。
三木くんが魅惑、妖艶と言うならば
男の人はまさに男の中の男という感じで、いかにもな体育会系の顔をしている。
かと言って、奈緒さんに似てるかと聞かれれば、そうでもない……。
アルバムを次々とめくっていく。
どの写真にも写っている、子供の頃の三木くん。
ただその表情はどれも寂しそうで、笑顔がない……。