【完】魅惑な藍の海の恋心色。





「ほら」と奈緒さんが指差した先の三木くんの目元には、確かに赤い泣き跡がある。


でも、笑ってる……。



「何でも、何をしても笑わないうみひとにムカついたらしくて、つい殴っちゃったみたいなの。」



な、殴っちゃったって……。


なんて物騒なの、ミニ笠岡くん……。



「そしたらうみひとが泣いちゃって。同時に、今まで我慢してたのも出てきたのか、学校だって言うのにもう大泣き。」


「…………。」


「……でも、このときからうみひと、私たちの前でも笑ってくれるようになったのよね……。」



そんなことが、三木くんにあったんだ……。



アルバムを、まためくる。


あとの写真はどれも、三木くんの豊かな表情が写り込んでいた。



「三木くん……楽しそう。」



三木くんと笠岡くん2人が、こっちに向かってピースをしている。


ふふ……かわい、2人とも。





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