【完】魅惑な藍の海の恋心色。
思わず笑顔がこぼれていたわたし。
「……よかった。」
「え?」
奈緒さんの言葉に、首を傾げる。
「うみひとの彼女が、せんせーみたいないい人でよかった! 私も安心っ、安心!」
元の、ふわふわとした子供っぽい雰囲気に戻った奈緒さん。
え、ちょっと待って!
かっ、彼女……?
誰が……?
わたしが……!?
「あっ、あの! わたしは彼女じゃ……っ!」
プルルルルルルッ...
〝ない〟
それをいう前に、下から鳴り響いて来た電話の音。
「あ、ごめんね、せんせー。少し電話に出てくる! 待ってる間、のんびりしてて?」
「誰かしら、この時間に」なんて言いながら、奈緒さんは1階へと下りて行く。
そ、そんなぁ……。