【完】魅惑な藍の海の恋心色。





思わず笑顔がこぼれていたわたし。



「……よかった。」


「え?」



奈緒さんの言葉に、首を傾げる。



「うみひとの彼女が、せんせーみたいないい人でよかった! 私も安心っ、安心!」



元の、ふわふわとした子供っぽい雰囲気に戻った奈緒さん。



え、ちょっと待って!


かっ、彼女……?


誰が……?

わたしが……!?



「あっ、あの! わたしは彼女じゃ……っ!」



プルルルルルルッ...



〝ない〟


それをいう前に、下から鳴り響いて来た電話の音。



「あ、ごめんね、せんせー。少し電話に出てくる! 待ってる間、のんびりしてて?」



「誰かしら、この時間に」なんて言いながら、奈緒さんは1階へと下りて行く。



そ、そんなぁ……。





< 193 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop