【完】魅惑な藍の海の恋心色。
ドンッ!!...
目をつぶってがむしゃらに走っていたら、途中で固い何かにぶつかった。
それも走ってたおかげで勢いが余計につき、顔面を強打する。
「おい、大丈夫か?」
「い、痛い……っ。」
痛さに溜まらずしゃがみ込んだら、腕を掴まれ、そのまま引き起こされた。
「……藍?」
「え? あ……智樹。」
わたしの腕を引き上げたのは、智樹だった。
「智樹……どうしてここに?」
「それはこっちの台詞だ。おまえの家、逆方面だろ。」
智樹に言われて気付く。
あ、ここ里佳子ちゃん家の近くだ……。