【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「!? ちょっ! なっ、泣くなっ藍!」
「ふぇえぇっ、ええぇっ……!」
「ここ住宅街! 住宅街だから!!」
号泣するわたしと、大慌てな智樹
そしてそんなわたしたちを怪訝そうに見てくる、通りすがりの人
まるで誘拐される寸前の子供と犯人だ。
「あぁっ!! ほらっ、里佳子ん家行くから来い!」
「足っ、痛いぃー……っ。」
「足!? って、赤くなってるじゃねえか!」
智樹はしゃがみ込み、わたしの足を見て叫んだ。
「子供かよっ。はぁ……仕方ねぇなぁ……。」
1度溜め息をついた智樹はそのまま体を反転させ、わたしに背を向けた。