【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「な、に……っ? ぐずっ……。」
意図が分からなくて、わたしは首を傾げる。
「ほら。おぶってやるから乗れ。」
「え!? いっ、いいよっ……自分で、歩ける……。」
本当は歩くのも辛いけど、こんなところでおんぶなんてされたら、目立って仕方がない。
……わたしが号泣してる時点で、既にもう目立ってるかもしれないけど。
「悪化したらどうすんだよ。いいから乗れ。」
有無を言わせない雰囲気の智樹。
このまま智樹をこの格好にさせておくのも可哀想で……。
「お、落とさないでねっ……。」
「分かってるつーの。今まででおまえを落としたこと、1度もねぇだろ。」
わたしはゆっくりと、その背中に体を預けた。