【完】魅惑な藍の海の恋心色。
わたしがそう言うと、里佳子ちゃんは一気に顔をしかめた。
「パス。あたし、そういう重い話苦手、専門外。もっと少女漫画っぽい悩みを言ってよ。」
「そ、そんなこと言われても……。」
確かにわたしも、2人に関してはものすごく重い話だと思うけど……。
かと言って、このまま2人をそのままにはできない。
「つか、本人に直接聞いてみれば?」
「ひゃっ……。」
突如、頬にピタッとくっつけられた冷たい何か。
「わりぃ、遅れた。湿布とか切らしてたから、近くのコンビニで買って来た。」
犯人は当然のごとく智樹で、頬に当てられたのは保冷剤だった。
「処置とか詳しいこと、俺わかんねぇから。とりあえずそれで冷やしとけ。あとで包帯巻くぞ。」
「うん、ありがとう……。」
いつからいたのかは分からないけど、保冷剤が少し温くなってるから、きっと長いこと待っててくれたんだと思う。