【完】魅惑な藍の海の恋心色。
おまけにその際、切り忘れてた爪が三基くんの頬を傷付けてしまったようで
頬にできた、一筋の赤い傷跡。
そのことに少し罪悪感を感じながらも
首を振って、わたしは間違ってないと自分に暗示する。
でもそれって、なんか虚し……。
「ん……っ、せんせ、ちょっと痛い……。」
「我慢して!」
……とは言いつつも。
頬を平手打ちした上、爪で赤い筋の傷をつけてしまったのは本当。
線のような一筋の傷に滲む、赤い血をゆっくりとガーゼで拭う。
「……ごめんね。」
痛みに弱いのか、傷口にガーゼを当てただけで顔を歪める三木くん。
それを見ていればいつのまにか、
思ってることと逆に、口が動いてしまっていた。
「別にいいよ? 小河先生につけられた傷なんて、嬉しくて自慢しちゃいそう。」
真面目に謝っているというのに。
三木くんはそんな冗談を言って柔らかく微笑む。