【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「うぅぁ、うう、うぅ……っ。」
突如泣き出したわたしを、三木くんは何も言わず慰めてくれる。
ギュッと暖かく腕で包み込んで、あの大きな手で、わたしの頭を撫でる。
「大丈夫だよ、せんせい。オレは、ここにいるから。」
まるで、小さい子をあやす大人……。
「傍にいるから……。」
だけどその優しさが、わたしにとってはちょうどいいみたい……。
心が安らいで、だんだんと眠たくなってくる。
「ん……ぅ……。」
「せんせ、眠たい?」
「ちょ、と……。」
「寝ていいよ。職員会議が始まる前に、起こしてあげるから。」
ほんと……?
……じゃあ、ちょっとだけ寝ようかな。
実のこと言えば、昨日は三木くんと東先生のことが気になって、眠れなかったんだよね……。
「おやすみ、せんせい。」
「……お……や、……すみ……。」
それからわたしは、眠気に誘われるまま、ゆっくりと目を閉じた。