【完】魅惑な藍の海の恋心色。





「残念だけど、せんせーならついさっき眠ったよ。」


「は? え、ガチ寝してんの?」


「みたいだね。」



こんだけオレが間近で話してても、ピクリともしない。


余程、さっきの何かに悩まされていたんだろうな……。



「あー……そうか、悪いな。藍のヤツ、昔から1回寝たらなかなか起きねぇんだよ。」



へぇ……。


〝藍〟に〝昔から〟、か……。



「あとは俺がベッドにでも寝かせとくから、三木はもう教室行けよ。あと10分ぐらいでチャイム鳴るぞ。」



ここに来たのは8時前のはずなのに、気付いたら大分と時間が経っていたようだ。


時計は8時20分を指している。



だけど



「いいですよ、オレが見とくんで。岡辺……先生こそ、もうすぐ職員会議があるんじゃないですか? 今の内に、〝藍〟の欠席理由でも考えておくことをお勧めします。」



そんなのはお構い無しだ。





< 225 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop