【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「残念だけど、せんせーならついさっき眠ったよ。」
「は? え、ガチ寝してんの?」
「みたいだね。」
こんだけオレが間近で話してても、ピクリともしない。
余程、さっきの何かに悩まされていたんだろうな……。
「あー……そうか、悪いな。藍のヤツ、昔から1回寝たらなかなか起きねぇんだよ。」
へぇ……。
〝藍〟に〝昔から〟、か……。
「あとは俺がベッドにでも寝かせとくから、三木はもう教室行けよ。あと10分ぐらいでチャイム鳴るぞ。」
ここに来たのは8時前のはずなのに、気付いたら大分と時間が経っていたようだ。
時計は8時20分を指している。
だけど
「いいですよ、オレが見とくんで。岡辺……先生こそ、もうすぐ職員会議があるんじゃないですか? 今の内に、〝藍〟の欠席理由でも考えておくことをお勧めします。」
そんなのはお構い無しだ。