【完】魅惑な藍の海の恋心色。
ふ……っ。
そんなの、当たり前だろ。
「紳士のままで、好きな子が守れるとでも?」
「……そゆこと。」
岡辺は笑って、オレの腕の中で眠るせんせいを見た。
「じゃ、俺は要らないわな……戻るわ。」
「はい。またあとで。」
確か、今日の1時間目は世界史だったはず。
「あ……そうそう。これは俺からの忠告だ。」
「…………?」
「俺は正直、おまえがアイツとどんな関係でいようが興味ない。」
…………何の、話?
「だけど。」
「アイツと藍を天秤にでもかけているつもりなら、今腕の中にいるそれ……容赦なく攫わさせてもらうから。」
ピシャリ...と、扉を閉まる音。
岡辺が出て行って、今この場にいるのはオレとせんせーだけ。
何が、〝容赦なく〟だよ……。
「おっかないね……。」