【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「…………ダメ。」
「え?」
「他の人じゃ、ダメなんです。」
〝それはね〟
〝お母さんが藍を愛して、助けたいと思ったからだよ〟
「わたしが愛してて、わたしが助けたいと思ったのは、三木くんだから。」
お母さん。
わたしを庇ったときもお母さん、わたしと同じ気持ちだった?
わたしを愛しいと、
助けたいって思ってくれてた?
「…………によ、それ……。」
「えっ……?」
「……さない。……許さない!!」
大きく振り上げられた手の平。
そのまま下りて来る手を見つめて、どこか他人事のように感じていた。
「っ……藍!!」
腕を引かれる。