【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「オレ、ちゃんと季緒が好きだったから。」
「1年のとき、アタシに無理矢理迫られたのに?」
「うん。」
〝変なの〟
そう言って、東先生は笑う。
わたしも三木くんも、つられて微笑みを浮かべた。
「じゃ、そろそろ行くねー。」
しばらく経って、東先生が部屋を出ようとした。
「……お、お母さん……!」
そんなとき
三木くんの口から絞り出された言葉。
……って。
〝お母さん〟!?
「オレさ……前まですごく恨んでたんだけど。」
「…………。」
「今は、こんな暮らしも嫌いじゃないよ。」
三木くん……。
何だか無性に、胸辺りがくすぐったくなって
ぎゅっと、三木くんの体に腕を回した。
わたしも……わたしも、何か言いたい。
何か、言わなくちゃ……。
でも、何を言えば……。