【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「……ほんと、ムカつく。見た目はあの人そっくりなくせに、言うことは奈緒と同じなんだもん……。」
そこまで言って、東先生が振り返った。
あ……。
「迎えに行かなくて……ごめんね、うみひと。」
さっきまでのわたしみたいに、目から涙を溢れさせてる東先生。
その表情は、どこからどう見ても〝母親〟……。
「東先生っ! 確かに三木くんはっ、奈緒さんそっくりです! 笑い方も、好奇心旺盛なことも、色々と少し強引なとこも……。だけど!」
だけど……。
ここだけは、ここだけは、2人とも一緒だった。
同じだった。
「振り返り方だけは、本当に似てると思います!」
「…………。」
「じ、地味なんですけど……。〝また明日〟とか、〝またあとで〟とか、〝またね〟って言う感じとか……。」
さっき、東先生が振り返ったとき、見つけた!と思ったんだけど……。
やっぱ地味すぎたかな……。