【完】魅惑な藍の海の恋心色。





「……ほんと、ムカつく。見た目はあの人そっくりなくせに、言うことは奈緒と同じなんだもん……。」



そこまで言って、東先生が振り返った。



あ……。



「迎えに行かなくて……ごめんね、うみひと。」



さっきまでのわたしみたいに、目から涙を溢れさせてる東先生。


その表情は、どこからどう見ても〝母親〟……。



「東先生っ! 確かに三木くんはっ、奈緒さんそっくりです! 笑い方も、好奇心旺盛なことも、色々と少し強引なとこも……。だけど!」



だけど……。


ここだけは、ここだけは、2人とも一緒だった。


同じだった。



「振り返り方だけは、本当に似てると思います!」


「…………。」


「じ、地味なんですけど……。〝また明日〟とか、〝またあとで〟とか、〝またね〟って言う感じとか……。」



さっき、東先生が振り返ったとき、見つけた!と思ったんだけど……。


やっぱ地味すぎたかな……。





< 242 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop