【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「じゃあね、また明日ー。」
今度こそ、東先生はそう言って、視聴覚室を出て行った。
教室に残るのは、わたしと三木くんの2人だけ……。
「母さんから聞いたの?」
「え?」
「オレの話。」
あ……。
「うん……ごめんね、勝手に聞いて、出しゃばって……。」
本来、わたしは部外者でしかないのに。
「別にいいよ。せんせーが泣くほど、オレのことで悩んでくれたんだと思うと、少し優越感。」
そ、そう言えば……!
わたし、今朝三木くんの腕の中で泣きまくっちゃったんだ……。
今思い出すと、結構恥ずかしい……。
「ふふ、照れてる?」
「……照れてない。」
「嘘つき。」