【完】魅惑な藍の海の恋心色。
頬に添えられた右手。
その体温に少しすり寄れば、手は簡単にわたしを包み込んだ。
「三木くんは……知ってたの?」
「知ってたよ。」
知ってて……付き合ったの?
「……季緒も、多分分かってたんじゃないかな?」
え……?
「2年付き合ってたけど、オレからも季緒からも、何もなかったからさ。」
「何もなかったって……。」
「あ、キスはしたけど。」
!!
まるで当たり前とでも言うように、しれっと言い放った三木くん。
「バカ!!」
「それ、さっきも聞いた。」
バカ……本当バカ……。
こぼれ落ちる涙がポツポツと、
床に透明の斑点模様を作った。