【完】魅惑な藍の海の恋心色。





あんなことがあって、早9ヵ月。


気付けば季節は、1度は過ぎた春を、また迎えようとしていた。



「オレ、昨日メールしなかったっけ?」


「……したね。」


「ね、したよね。〝朝迎えに行くから待ってて〟って。」



うん……届いてた。



いや、覚えてたんだよ?


そんな、三木くんとの約束を忘れるなんてことしないよ?



……ただ、ちょっと忙しかったというか…………。


記憶から抜け落ちたというか……。



「今日、待っててくれた?」


「…………いや。」


「どうして?」


「…………忘れてました。」


「何かオレに言うことは?」


「ゴメンナサイ……。」





< 253 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop