【完】魅惑な藍の海の恋心色。
そんな彼が少しだけ憎らしい。
わたしが大学受験するときは、毎日死に物狂いで勉強して、それでも何とか受かったぐらいなのに。
「絶対不公平だ……。」
「ん? 今何か言った?」
「なーんにも。」
だけど、他のことでたくさん苦労してきた三木くんを、わたしは知ってるから。
「三木くん、卒業おめでとう。」
ここは素直に祝ってあげるんだ。
「ありがと、せんせい。」
「うん!」
わたしが微笑むのと同時に、三木くんも優しく笑った。
あ、そういえば
「三木くん、昨日はどうだったの?」
奈緒さんと東先生の3人で、実家に帰ったんだよね。
「どうもこうも、無駄にテンションの高い2人と一緒は疲れるよ。新幹線でもずっと、オレを挟んで話してんの。」
「あははっ、三木くん人気者だったんだね。」
「テーマパークの着ぐるみになった感じ。」