【完】魅惑な藍の海の恋心色。
あのあと、東先生は奈緒さんに謝りに、三木家まで出向いたらしい。
当然だけど、奈緒さんはすごく怒って、三木くん曰わく、今にも人を殺しそうな顔だったとか……。
……想像できない。
とにかくそんなことが夏休み辺りにあって、何とかその場は奈緒さんの旦那さんが仲介に入ったことで落ち着いたんだけど。
やっぱりそうすぐ許してもらえるものではないだけあって、2人の喧嘩(?)は年末の最後まで続いた。
「楽しかった?」
「……まぁ、退屈はしなかったかな。」
それと。
やっと和解することのできたお母さん2人との帰省は、三木くんも満更でもなかったみたい。
「ふふっ。」
「……何笑ってるの。」
「三木くん、可愛いなぁって。」
少し顔を赤くした三木くんを見て、わたしがそう言うと。
三木くんはガタッとソファーから立ち上がって、わたしが座る椅子の前までやってきた。